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2016年 3月1日
役員の任期まで変更して行った異例人事
緊急対談
元公明党幹部・元学会職員が真相に迫る(上)
元公明党副幹事長・学生部東大総合委員長 福本 潤一
政教分離を考える会代表・元創価学会広報部副部長 小川 頼宜
元創価学会文化本部副書記長・芸術部書記長 小多仁 伯
情報誌『選択』に載った記事
小多仁 今年一月号の情報誌『選択』を読まれたでしょうか?〈創価学会でクーデター勃発―ポスト池田確定。総務会の内幕〉というセンセーショナルな表題で、人事変更の経過を詳細に描(えが)いています。
福本 『選択』を読んでない人のために、若干整理してみますと、〈会則等の重要な議決機関である総務会を十一月十七日午前中から開催、全国から三百名近いメンバーが集まった。そして異常な雰囲気の中、計四度の総務会が開かれた。その流れは、①総務会メンバーの任期を五年から三年に変更する会則変更の提案があった。②変更を受けて、総務会メンバーの任期が切れたことになり、新規の総務会メンバーを選任した。この際、ベテランを中心に二十名程度が再任されなかった。③新メンバーで再開された総務会で会長任期を五年から四年に短縮する会則変更の提案があり、承認。原田会長の任期が切れたことになった。④合い間に総務会のメンバーの十数名程で会長選出委員会が開かれた。ここで、原田会長の再任を決定した。⑤原田会長が、正木理事長を切り、長谷川理事長を選出した。出席者から驚愕の声が出る中、総務会が終了した〉という進行であった、と描かれています。
小川 その記事のとおりだとしたら、官僚タイプの原田氏らしい手口ですね。一種のクーデターを、創価の規約に則(のっと)って合法的に行なった、ということでしょう。昨年の創立記念日十一月十八日は任期切れ時期でないので、大きな人事はないだろう、と思っていた人にとっては、多少ショッキングな出来事ですね。ルールを変更し、会長任期を短縮までして、人事変更を行なったわけですから。
池田抜きで行われた新人事!?
小多仁 『選択』では、〈総務会で原田は、「正木理事長は体調不良で職務執行が不可能となり、本人から辞職の願いが出た」と説明したが、それを聞いたある幹部は「正木さんは四日前まで元気な姿を見せていた。どこかに幽閉(ゆうへい)されているのではないか」と呟(つぶや)いた〉とか〈池田は明確な後継者を決めず、有力幹部らを競わせることで五十年以上絶対的な権力を握り続けてきた。その池田が、谷川の唯一の対抗馬でまだ六十一歳の正木を更迭(こうてつ)するはずがない〉と書かれていますしね。
小川 たしかに池田は、二人を競わせながら、自己の絶対的権力を保持して譲らない、というスタンスできました。最初の頃は、原島嵩元教学部長と福島源次郎元副会長。ついで、東大卒メンバーのトップ原田事務総長(当時)と京大卒メンバートップ野崎勲副会長(当時青年部長)を競わせ、その配下の東大卒や京大卒の連中を翻弄(ほんろう)していたものです。
福本 その後、池田の後継者教育を受けていた次男・城久氏が胃穿孔で急逝した後には、谷川青年部長と佐藤浩男子部長まで競わせていたこともあります。本部幹部会で「創価の仏敵」を斬る発言を多くしていた佐藤浩男子部長を指し、池田が「さすがだ。次の会長はやっぱり佐藤君だな」と言うのを聞いたことがあります。
まるで北朝鮮のような粛清の嵐!?
小川 この谷川氏や佐藤氏を次期会長候補として支えていたのが、弁護士団を束ねている八尋顧問弁護士で、配下の竹岡氏などから二人は創価官僚としての裏仕事の指南を受けていた、と聞いたことがあります。
福本 その過程で自民党の将来の有力人物とも会っていたのが、今の政界とのつながり、自公体制につながっていったのでしょうか。
小川 そうした中、二人もかなりのスキャンダルを抱えることとなっていくのですね。佐藤浩氏は、創価大学課長らが起こしたNTT盗聴事件の首謀者と見なされたらしく、一時、創価の活動から干されていた時期があります。
小多仁 妙観講副講頭の佐藤せい子さんや乙骨正生氏や福原由紀子さんらに対する盗聴ですね。
福本 谷川氏に対しては、インターネット上で女性スキャンダルがかなり書かれていましたが、粛清(しゅくせい)されて本部職員をクビになった波田地氏を犯人と疑い、「流言飛語による名誉棄損」で訴えたそうです。
以後、創価大学OBの解職解任の粛清の嵐は、恐怖政治のように続き、それが創価大学OBのトップ正木理事長の解任になっていったのでは、と言われています。
小多仁 正木元理事長は創価と公明の協議の場である社会協議会の責任者でしたが、その後任の社会協議会の責任者には、原田会長の従弟にあたる原田光司氏が任命されていますね。
小川 今出たばかりの『週刊朝日』の二月二十六日号にも〈安保法反対の創価学会元本部職員が実名で衝撃告発「池田先生のお言葉が利用されている」〉と題して、三名の創価大学OBの創価職員が本部職員を解雇(かいこ)され、会員除名された、との記事が載(の)っています。
福本 他の地域各地でも、安保法制や創価の教義改変等に質問や疑問を口にしただけで、「闘争圏外」とか言われて役職解任や解職が起こっていますね。
小多仁 教義改変で「一割や二割会員が減っても仕方がない」との最高幹部発言があったといわれていますが、それは「一割二割の会員を除名や解職解任しても、目的に向かって人事変更と教義改変をする」という意味なのか、と思えるような粛清の嵐です。
頓挫していた池田‟世襲”への人事
福本 昨年末の人事や教義変更、池田名の書物の中身改ざんを見ると、まだ池田健在の時に起こった秋谷更迭、原田会長となった二〇〇六年の人事の年のことを振り返ってみる必要があるように思えます。池田名誉会長健在の時の会長人事と比較してみることで、創価の実態をとらえ直してみましょう。
小川 会長人事のあった二〇〇六年というと、今から十年前です。
福本 この年は私はほとんど東京にいて、本部幹部会にすべて出席できましたので、流れをよく見聞きできました。この年は会長の任期切れで、五月三日頃に交代があるのでは、と言われていました。
小川 この年は政権与党入りして七年目。公明党を通して創価は、政治に強い影響力を持ち始めていましたので、世間でも次期会長人事が大きな関心事になっていました。
福本 そうした中、写真週刊誌『フライデー』がスクープ記事を載せました。「創価は正木会長、谷川理事長体制で」という写真入り記事でした。またガセネタではないかと疑心暗鬼になりましたので、創価大学大学院OBで男子部大幹部の秘書に聞いてみました。「創価の会長人事は本当にあるのか?」と
小多仁 ほう、どういっていましたか?
福本 彼の言うには、「本当に〝正木会長、谷川理事長〟という秋谷更迭の人事が行なわれるという連絡が入っております。青年部総会に当たる連休中の会合に長谷川第一庶務室長が来て発表するそうです」というのです。私は、びっくりしました。というのは、会長人事という創価全体のことは、本部総会を開いて行なうのが恒例なのに、なんと青年部の会合で発表するとは、なんたる裏技行使かと思いました。
小川 しかし、それは現実には実行できなかった、というわけですね。
福本 はい。その後の本部幹部会での池田自身の怒り様は凄いものでした。関西責任者の藤原副会長を立たせて「お前がうちの子を『ご子息様、ご子息様』と呼ぶので、マスコミにかぎつけられたではないか!」と、藤原をはじめ関西の最高幹部を叱りつけていました。
小川 要するに、その時に予定していた「正木会長・谷川理事長体制」は、息子の博正氏や三男・尊弘氏を擁護する体制作りで、秋谷更迭の絶好のチャンスでもあったのに、関西方面からマスコミに事前情報が洩れて、失敗してしまった、ということで憤激していたわけですね。
小多仁 この後、池田大作にとっては大不満だったでしょうが、七月に秋谷会長が再任されました。これは、秋谷氏以外に選挙支援の全体指揮を取れる人材がいなかった、ということでしょう。
池田抜きの独裁政治の始まり
福本 さらに九月には、公明党で代表交代の大人事がありました。神崎代表が辞意を表明して、後任に太田昭宏氏が選ばれたものです。
この後の本部幹部会で、異様な池田の素顔を見ました。それは、会合の途中、急に「神崎立て!」と言い出し「秋谷も立て!」と、二人を立たせました。そして、「神崎お前は、秋谷にいじめられたんだな!」と強く問いかけました。そうすると神崎氏は「はい! いじめられました!」と直立不動で言うではありませんか! 二、三十分経った時にも同じ内容が繰り返され、あの神崎さんが、あんな返事をするのかと、しばし呆然(ぼうぜん)としました。
小川 これは、池田の得意の演出で、「九月にあった神崎の公明党代表辞任は、すべて秋谷の責任である。秋谷は責任を取らねばいけない」と会員に明示したのでしょう。そして、十一月に、実際に秋谷を会長辞任させ、原田会長の誕生としたのです。
小多仁 池田のよく言う言葉「すべて私がしたんです」という言葉に則って、多くの幹部に自己の絶対権力を見せつける演出をするわけです。
福本 このように、常に自己の存在を絶対権力者として演出する池田が、今回のような会長人事をするでしょうか? 今回の原田・長谷川体制は後期高齢者人事ですしね。
小川 すでに廃人化した池田を無視しての、原田・八尋・谷川・秋谷の四人組の独裁政治の始まり、と見る人達もいるようです。が、今後の推移を見なければ、判定はまだ下せないと思えます。秋谷・原田の系統と、八尋・谷川の系統では、指向性が違いますから。
福本 これが、今後の創価公明の関係にどういう影響を及ぼすかは、日本では大きな関心事です。なぜなら、創価と官邸の関係、自公体制が、日本の将来を大きく変えてしまいかねないからです。
(つづく)
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